貴重なドキュメンタリー映画でした。牛の買い付け、飼育から屠畜、精肉、小売りまでを自らの手で一貫して行っていた北出精肉店のご家族のお話です。北出家のルーツは江戸時代末期の1847年。死牛馬の処理を生業としていたことから始まっていたと思われるとのこと。その家業を代々継いで7代目の北出家が営む北出精肉店の人々の仕事と日常生活と社会活動のドキュメンタリー。大スクリーンと映画館の音響で体感できてよかったです。
ポレポレ東中野で鑑賞
ポレポレ東中野に到着。
階段を降りて劇場へ。
階段の踊り場には映画のフライヤーが置いてあります。
さらに階段をおりて劇場へ。
当日券のチケットを購入。
いよいよ、ドキュメンタリー映画『ある精肉店のはなし』を鑑賞です。
映画『ある精肉店のはなし』物語
大阪貝塚市での屠畜見学会。
牛のいのちと全身全霊で向き合う
ある精肉店との出会いから、この映画は始まった。
家族4人の息の合った手わざで牛が捌かれていく。
牛と人の体温が混ざり合う屠場は、熱気に満ちていた。店に持ち帰られた枝肉は、
丁寧に切り分けられ、店頭に並ぶ。
皮は丹念になめされ、
立派なだんじり太鼓へと姿を変えていく。家では、家族4世代が食卓に集い、いつもにぎやかだ。
家業を継ぎ7代目となる兄弟の心にあるのは
被差別部落ゆえのいわれなき差別を受けてきた父の姿。
差別のない社会にしたいと、地域の仲間とともに部落解放運動に参加するなかで
いつしか自分たちの意識も変化し、地域や家族も変わっていった。2012年3月。
代々使用してきた屠畜場が、102年の歴史に幕を下ろした。
最後の屠畜を終え、北出精肉店も新たな日々を重ねていく。いのちを食べて人は生きる。
「生」の本質を見続けてきた家族の記録。出典)映画『ある精肉店のはなし』公式サイト
映画『ある精肉店のはなし』予告編
予告編
映画『ある精肉店のはなし』鑑賞後に関連書籍と動画
映画『ある精肉店のはなし』劇場パンフレット
この劇場パンフレットの内容はお見事です。貴重な資料です。
ドキュメンタリー写真絵本『うちは精肉店』本橋成一 著・写真
お子さんにも読めるように、簡易な文と、漢字にはふり仮名も振られています。映画の内容がよみがえります。
写真集『屠場』本橋成一 写真
屠場、道具、そこで働く人々の生々しい52枚の写真。人の手によって屠畜、解体、精肉する昔ながらの屠場の様子が垣間見られます。
映画『ある精肉店のはなし』纐纈あや監督インタビュー / OurPlanet-TV
感想
温和なご家族だなあ。牛の買い付け、飼育、屠畜、精肉、店舗小売、移動販売での小売といったお仕事のシーンもさることながら、日常生活の様子、地域のお祭り、太鼓の皮張り、部落開放運動や小中学校への体験学習といった社会活動、先代の父への思い。。どの様子も芯が通っていながらもその語り口や表情が温和。見ていて、笑い、そして泣けてきました。そして、牛のみならず、肉、魚、野菜といった命をいただきながら生きていることを再認識させてくれて感謝がわきました。冒頭からラストまで見入ってしまいます。
高橋典幸
ドキュメンタリー映画『ある精肉店のはなし』フライヤー
関連外部リンク
参考
ある精肉店のはなし公式サイト
参考
ポレポレ東中野公式サイト