「なんて穏やかな方なんだろう。。」その語り口、立ち居振る舞いを観ていて、本作主役、漫画家・アーティストのマット・フューリーさんからの第一印象です。ご本人もご自身のことを「穏やかで繊細」とお話しされていましたが、まさにです。そんなフューリーさんが生み出した、アメリカで人気の漫画キャラクター「カエルのペペ」。人気がでて人々に広まってはいきましたが、10年以上にわたり心無い改変を匿名掲示板、SNS、メディア等でされ続け、その改変ぶりはエスカレートしていくばかり。果ては作者の意図とは異なる形で勝手にキャラクターが特定個人や特定団体のシンボル化されたり、マスコットにされたり、作者の承諾を得ずに販売もされていきます。それまで、傍観していた創作者のマット・フューリーさんが立ち上がります。変わり果てたイメージとして広まってしまった自身が生み出した愛しいキャラクター「カエルのペペ」を助けるために。。感想です。
なんて穏やかな方なんだろう。
楽しく幸せで個性あふれる4人のキャラクターを通して若者の日常が描かれた漫画「ボーイズ・クラブ」。そのキャラクターのひとりとして登場する「カエルのペペ」。その作者のマット・フューリーさんに魅入りました。
創作者の思いとは異とする姿のインターネット・ミームとして広まってしまった「カエルのぺぺ」。本来のキャラクターを取り戻す為の作者の静かな戦いに見入ります。
創作者の漫画キャラクターへの思入れと、そんな思い入れなど微塵も気にせずに、ただ面白おかしく無断改変利用する様々な人々。双方の考えがわかりやすい。
マット・フューリーさん、漫画やイラストを描くことが本当に楽しくて大好きで穏やかなアーティストなんだなぁと。時折姿を見せる娘さん(かな?)がかわいい。
漫画キャラクター「カエルのぺぺ」のことも、漫画作者マット・フューリーさんのことを全く知らなくても、わかりやすいドキュメンタリー。実は身近なテーマです。
「著作物」について改めて考えることができる実話。家にこもって過ごすことが多くなったこの1年。今、こんな時期だからこそ、本作を観る事が出来てよかったです。
マット・フューリーさんの作品