日本・インドネシア合作アニメーション映画「トゥルーノース」(2020)をTOHOシネマズシャンテで鑑賞。北朝鮮にあるとされる政治犯強制収容所への収容体験をもつ脱北者や元看守などにインタビューを行い10年の歳月をかけて創作された物語。感想です
沁みました。
映像は実写ではなく3DCDアニメーション。
しかも、あえて、昨今の潮流の実写に近いなめらかでつるんつるんのアニメーション映像ではなく、ポリゴンを荒くして折り紙かのように角張った優しい寓話的なアニメーション映像。
この感じの映像が物語への没入感を与えてくれているように感じます。
音楽監督はディズニー長編アニメ映画『ムーラン』(1998年)のマシュー・ワイルダーさん。
童謡と民謡以外は全てオリジナルサントラ。
劇中で歌われる「マンセー 希望のかがり火」は圧巻。
主に北朝鮮にあるとされる政治犯強制収容所を舞台にしています。
このテーマで、ドキュメンタリーやレポート、また固有の実在の人物のお話ではなく、創作された1つの家族の半生を通して描いた物語。
また、エンターテインメント作品としても昇華されています。
確かに過酷で凄惨なシーンも少なくないです。
その中でどう生きていくかの様々な選択が、主人公ヨハン、妹ミヒ、母ユリ、親友インス、収容所の作業班責任者チェ・ドンス、看守リー、所長ハンなどの登場人物を通して描かれます。
これまでに無いスタイルの稀有な作品で、見入りました。
鑑賞後、映画パンフレットを読みました。
作品への理解がより深まりました。
📕イントロダクション
📕物語
📕登場人物紹介
🖋️寄稿文
「赤とんぼは唄われたか?〜強制収容所の中の日本と在日〜」
石丸次郎 (ジャーナリスト / アジアプレス)
🖋️寄稿文
「アニメーションだからこそ表現が可能となった、優れたエンタテインメント」
増當竜也 (映画文筆)
🎤清水ハン栄治監督 インタビュー
「映画を見た人に『生きるとは何か』ということを考えてほしいと思いました」
取材・文 佐藤結 (映画ライター)
🎙️日本在住の脱北者の方々による座談会
「『トゥルーノース』を観て全世界の人にこの映画を観てほしい」
🖋️各界からのコメント
🎬国際映画祭の受賞、招待、出品
📕スタッフ・キャスト紹介
監督・脚本・プロデューサー 清水ハン栄治
制作総指揮 ハン・ソンゴン
制作 アンドレイ・プラタマ
撮影監督 メリータ・ブディマン
美術 ディアン・レスタリス・スパンディ
音楽 マシュー・ワイルダー
音響 コンソヌク
キャスト(声)
ジョエル・サットン
マイケル・ササキ
ブランディン・ステニス
エミリー・ヘレス
日本公開は全国各地で2021年6月4日より。
封切り時、東京都内ではTOHOシネマズシャンテ、1館のみで上映。
絶望の淵で、人は「生きる意味」を見つけられるのか? 1960年代の帰還事業で日本から北朝鮮に移民した家族の物語。平壌で幸せに暮らすパク一家は、父の失踪後、家族全員 が突如悪名高き政治犯強制収容所に送還されてしまう。過酷な生存競争の中、主人公ヨハンは次第に純粋で優しい心を失い他者を欺く一方、母と妹は人間性を失わず倫理的に生きようとする。そんなある日、愛する家族を失うことがキッカケとなり、ヨハンは絶望の淵で「人は何故生きるのか」その意味を探究し始める。やがてヨハンの戦いは他の収監者を巻き込み、収容所内で小さな革命の狼煙が上がる。
引用元:映画「トゥルーノース」公式サイト
今、この瞬間にも、いまだあの場所で…