「性」によって「生」の意味を見つける。なるほどなあ。城定秀夫さんが監督・脚本・編集をされた新作映画ということで「性の劇薬」を池袋シネマ・ロサで鑑賞しました。原作は、水田ゆきさん著の累計販売数100万ダウンロードを超える大ヒットBL電子コミック「性の劇薬」(ボーイズファン刊)。
原作コミックは未読。ストーリーを知らずに映画版を観ました。感想です。
映画「性の劇薬」感想
「性」によって「生」の意味を見つける。物語ということでなるほどなあと。私は、「死」を覚悟した人間が「生」の意味を見つける物語だったなあと感じました。劇場パンフレットを読んで余韻に浸りました。
原作コミックは未読のため、比較はできないのですが、コミックのカット描写を映像で再現ということを意識されたシーンも多いんだろうなあと、ふと思いました。拘束シーンのいくつかで、「えっ、それって外せるよね。あれ、それって逃げられるよな」と思う拘束方法、拘束器具がありましたもので。ただ、外せる、逃げられると思っても、外さない、逃げないという精神状態になっていたのかとも思いますが。
性描写シーンの数々もさることながら、渡邊将さん演じるエリートサラリーマン桂木誠が死を覚悟するにいたるまでのシーンの数々、北代高士さん演じる余田龍二のバックストーリーのシーンの数々は魅入りました。
やはり、城定秀夫監督らしい、脚本、編集だなあと観ていてうれしかったです。R18+指定のBL映画ということで男同士の性描写シーンや拘束調教シーンが話題になっていますが、それらのシーンの数々もさることながら、丁寧に描かれる人間の心の変化の描写が素晴らしいです。映画館で観に行ってよかったです。
前方中央席で鑑賞後、席を立って後ろを振り返ると、お客さんの8割は女性の方々でにぎわっていて「へえ」と驚いた瞬間、座席の手すりに左足のももを強打。「痛ったぁ。。」と思った次に「生きている。これが生きているということだ。」という言葉を独り言でつぶやいていました。映画「性の劇薬」映画館で観てよかったです。
映画「性の劇薬」物語
「俺のせいで、すべてが無くなった…」完璧な人生から転落したエリートサラリーマンの桂木は、絶望のさなか酔った勢いで飛び降り自殺をはかる。「捨てるなら…その命、俺に寄こせ!」突然現れた謎の男・余田に助けられるのだが、それは恐ろしい監禁調教生活のはじまりだった…
STORY | 映画「性の劇薬」公式サイト