映画『セブンガールズ』を新宿のケイズシネマで鑑賞しました。
1週間限定公開とのこと。公開最終日の2018年10月5日に鑑賞できました。
まるで舞台を観ているかのような作品。よかったです。笑って、心に沁みる人情噺の物語でした。
感想
つらいなぁというときに思い浮かべたい歌、物語をみつけました。切ないシーンも少なくはないですが、生きていくために、食べていくために、強くたくましく助け合いながら生きる人々の物語に刺激を受け勇気づけられました。
終戦直後のパンパンガールを題材とした作品としては映画『肉体の門』がありますが、本作映画『セブンガールズ』は、コメディ要素も取り入れられた人情噺として視点が異なるテイストの作品のように感じました。近隣の医師による定期健康検診を受診していたり、女性運動家の取材を受けたりと社会との交流も描かれます。
登場人物が多いながらも、ひとりひとりの人となりや事情を、じっくりと味わせてくれます。
舞台的な小気味の良いテンポと洗練された台詞と長回しを多用しつつ綿密な場面展開での進行に、ところどころ映画的な演出も加えられて、鑑賞中に感じる感情の起伏が削がれたり切られたりせずに物語を味わえました。お見事でした。
劇団前方公演墳さんが過去に4回アンコール再演したという演劇を、舞台と同じキャストで映画化した作品。
144分間、演劇の舞台を観ているかのような感覚になる映画でした。
オフィシャルパンフレットの劇中写真、文章、台詞、主題歌の歌詞を眺めながら余韻に浸っています。
劇団前方公演墳の皆さん、映画製作に尽力された皆さんありがとうございます。
高橋典幸
鑑賞前、当日券を手に、K’s Cinema 近くの喫茶タイムスで。
鑑賞後。
映画『セブンガールズ』鑑賞の思い出写真
映画『セブンガールズ』作品紹介
高橋典幸
夢を持つことも、希望を持つことも、恋をすることさえ贅沢だった終戦直後の物語。今日食べるもののためだけに生きる女たちを描いているこの物語は、極限状態に近いどん底にありながら、星を見上げ続けた夢の物語だ。女たちは、米兵に体を売る娼婦となることで生き抜き、風が吹けばきしむバラック小屋で手に手を取り合って共同生活を送っていた。
プライドを捨てたような彼女たちを人は指さし「パンパンガール」と蔑む。それでも、彼女たちは笑顔を見せ、歌い、踊る。心の底に小さな希望の灯を持ちながら。2018年に旗揚げ20周年を迎える劇団前方公演墳の作品「セブンガールズ」は、多くの観客に愛され、2004年の初演から、4度の再演を重ねてきた小劇場作品。飽食の時代と言われる現代にあって、今やファンタジーともいえるこの時代の物語が愛された理由は、現代においても「真剣に生きる」ことが求められているからこそだ。人は、本気で夢を追い、希望を抱き、壊れるような恋を求め願っている証拠だろう。
「この作品を世に残したい」たった一つの願いが、奇跡としか思えないこの映画を生みだすことになった。これまでの小劇場作品の映画化は全て、脚本、監督が変わり、キャストが有名俳優となり、別の形としての映像化だった。そうしなければ映画製作の企画が通ることはなかったからだ。それを舞台同様のオリヂナルキャスト、原作が監督での製作するには、俳優たちが自ら、映画化に向けて自分たちでやれることは全てやっていく方法しか残されていなかった。
クラウドファンディングで資金を募り、自らの足でロケ地をめぐり、終戦直後と同じように自分たちの手でバラック小屋を建て、8か月にも及ぶ稽古を重ねることで、これまでの常識を覆す文字数のシナリオを、わずかな資金、わずかな日程で、撮影に及んだのだ。終戦直後の小さな希望と、現代に生きる劇団員たちの夢がクロスオーヴァーしていく。どんな状況でも、どんな環境でも、どんな困難にも負けないパンパンガールたちのように、映画化に向けて走り回った。この映画は、過去の物語ではない。現代を生きる全ての人の物語だ。どん底でも笑える強い人間の物語だ。
出典)映画「セブンガールズ」オフィシャルサイト
映画『セブンガールズ』物語
アメリカ軍の支配下にあった終戦直後、希望と尊厳を奪われたドン底の東京に、わずかな命を生きた娼婦達がいた。
家族の命を奪ったアメリカ軍人を相手に体を売る彼女達を人は蔑み、パンパンガールと呼ぶ。戦地に男たちを取られ、配給も滞り今日食べる物さえ手に入らない。
戦災孤児や戦争未亡人、行く当てのない女たちは寄り添い、力強く生きていく。
そのパンパン宿にも8人の娼婦が助け合いながら生きていた。
どんなにつらくても、どんなに落ち込んだ日も、彼女たちは歌った。
いつかやってくるはずの、明日を信じて。とっくに捨てた幸せ、あるはずのない愛、取り巻く男達の野心に翻弄されながらも、手を取り懸命に生きようとした彼女達の歌、「セブンガールズ」が、瓦礫の街に今日も聞こえる。
出典)映画「セブンガールズ」オフィシャルサイト
映画『セブンガールズ』予告動画
映画「セブンガールズ」予告編(1分30秒)
https://www.youtube.com/watch?v=g6oP2MZMLrI
映画『セブンガールズ』プロモーションビデオ動画14本
映画「セブンガールズ」PV #001(1分00秒)
https://www.youtube.com/watch?v=F6pe1U_5c5Q
映画「セブンガールズ」 PV #002 道絵(パンパン小屋の女たち 01/10)(30秒)
https://www.youtube.com/watch?v=HQwR9LDbSWg
映画「セブンガールズ」 PV #003 猫(パンパン小屋の女たち 02/10)(30秒)
https://www.youtube.com/watch?v=bY4uvPzJz8E
映画「セブンガールズ」 PV #004 郁子(パンパン小屋の女たち 03/10)(30秒)
https://www.youtube.com/watch?v=WkdFEYxEcAg
映画「セブンガールズ」 PV #005 ミチル(パンパン小屋の女たち 04/10)(30秒)
https://www.youtube.com/watch?v=2WDEa3MFBpU
映画「セブンガールズ」 PV #006 真知(パンパン小屋の女たち 05/10)(30秒)
https://www.youtube.com/watch?v=UrfYE-UNisQ
映画「セブンガールズ」 PV #007 愛理(パンパン小屋の女たち 06/10)(30秒)
https://www.youtube.com/watch?v=uqblP-8VHHY
映画「セブンガールズ」 PV #008 マリア(パンパン小屋の女たち 07/10)(30秒)
https://www.youtube.com/watch?v=fri3bpsSqc0
映画「セブンガールズ」 PV #009 あさひ(パンパン小屋の女たち 08/10)(30秒)
https://www.youtube.com/watch?v=f1Ee3OyZxwU
映画「セブンガールズ」 PV #010 コノ(パンパン小屋の女たち 09/10)(30秒)
https://www.youtube.com/watch?v=KPNlRz8Nb04
映画「セブンガールズ」 PV #011 真奈(パンパン小屋の女たち 10/10)(30秒)
https://www.youtube.com/watch?v=eXLXzIljT8k
映画「セブンガールズ」 PV #012 野望を持った男たち(30秒)
https://www.youtube.com/watch?v=4lBYPGwdUS0
映画「セブンガールズ」 PV #013 パンパン小屋の訪問者 02/10)(30秒)
https://www.youtube.com/watch?v=5A0V6HxsQP4
映画「セブンガールズ」 PV #014 パンパンを愛した男たち(30秒)
https://www.youtube.com/watch?v=T9Ry3oOLQWY
映画『セブンガールズ』幻の予告編動画3本
映画「セブンガールズ」 幻の予告編1/3 笑顔編(1分30秒)
https://www.youtube.com/watch?v=eVhfUHlaxzs
映画「セブンガールズ」 幻の予告編2/3 小劇場編(1分30秒)
https://www.youtube.com/watch?v=6jOVTha2Rdw
映画「セブンガールズ」 幻の予告編3/3 パンパン編(1分40秒)
https://www.youtube.com/watch?v=F3usTiNzpxw
映画『セブンガールズ』ミュージックビデオ動画
映画「セブンガールズ」主題歌「星がいっぱいでも」 MV(2分40秒)
https://www.youtube.com/watch?v=pAgxr4KjJus
関連外部リンク
参考 映画「セブンガールズ」予告編・PV集YouTube 再生リスト
参考 映画「セブンガールズ」上映後トークイベント集YouTube 再生リスト
参考 新宿ミニシアター K’s cinema ケイズシネマ公式サイト
高橋典幸