よかったなぁ。ほっこり、しんみりしました。
映画『ヴォイス・オブ・ラブ』をオンライン試写で鑑賞。
2021年12月24日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館で、先行公開。
その後、
2021年12月31日(金)より、全国順次公開。
歌手のセリーヌ・ディオンさんの半生を原案に創作されたフィクションの物語。
監督・脚本・主演のヴァレリー・ルメルシェさん、劇中歌をアフレコで歌い上げたヴィクトリア・シオさん、お見事です。
原題は『ALINE the voice of love』。
実在のセリーヌ・ディオンさんは今も活躍中で、世界に一人しかいない大スターへの敬意を表するために本作では主役の役名をアリーヌ・デューとされたとのこと。
カナダの小さな田舎から世界的な歌手となる1人の女性アリーヌと、アリーヌをささえた家族とマネージャーとの半生の物語が描かれます。
感想です。
物語冒頭の両親の出会いと子供が生まれていく様子、のちにマネージャーとなるギィ=クロードがアリーヌとはじめて対面した時にアリーヌの名前を間違えるシーン、ケベック式の食べ物を温める方法、のどがらみの数々のシーン、「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」のデモ音源を初めて聞いた時のアリーヌの感想、、などなど、大笑いではないのですが、劇中、表情が緩んだり、思わずくすくす笑ってしまったりなシーンがちりばめられています。セリフだけでなく、ちょっとした、目線や表情やしぐさなんかでも。観ていてしんみりなシーンも多いですが、微笑ましくてほっこりします。
ご両親、がんばりましたなあ。子供14人。これが温かくていい兄弟なのです。アリーヌがスターになってから、コンサート前のメイクの時にスタイリストさんに子供のころの食べ物のことをふと笑いながらお話しするシーンがあるのですが、そうだよなあ。そんな時期もきっとあったのだろうなあとしんみりしました。子供14人を育てるってすごいことです。
本作を観ていて知っている俳優さんが一人もいませんでした。もしかしたら何かしらの作品に出演されていて目にしていたのかもしれませんが、わかりませんでした。これがとてもよかった。物語に没頭できました。もう、その役の人にしか見えなかったです。セリーヌ・ディオンさんのふるさとであるカナダのケベックの俳優をこだわって起用されたとのこと。監督・脚本・主演の ヴァレリー・ルメルシエさんが、カンヌ国際映画祭での記者会見で「ケベックの俳優にたくさん出演していただきました。本当に素晴らしい演技ですので、ぜひ多くの皆さんに早く観てほしい。」と話されていましたが、アリーヌの家族や地域の皆さん、素晴らしかったです。
大スターの歌手や俳優の半生が描かれる過去の作品ですと、何人かはあからさまな悪人が登場して、ドロドロだったり、修羅場があったりするものが少なくないですが、本作では登場しません。本作では歌手としての修羅場はあるのですが、悪人登場せず、それでよかったと感じます。
世界中の50人の歌手の中から選抜されたというイタリア出身のフランス人歌手ヴィクトリア・シオさん。セリーヌ・ディオンさんの歌声と、劇中のアリー役を演じたヴァレリー・ルメルシエさんの声との双方に寄せての絶妙な歌声。アリーヌは、その時々の状況や心情によって歌声も変わるのですが、もう、お見事です。
歌手のセリーヌ・ディオンさんの半生を原案に創作されたあくまでフィクションの物語。 事実のみを時系列に配列した伝記ではなく、あくまでもフィクション。現在も現役で活躍されている人物の半生を2時間6分の映画というエンターテインメント作品にしているわけですから、脚本上はしょったり、演出上ふくらましたりはあろうかと推察されます。これがすべて事実とは思わないですが、歌手のセリーヌ・ディオンさんの半生のエッセンスの一部は垣間見られました。娘として、妻として、母として、歌手としての1人の女性の物語として素晴らしいです。
ステージで歌うアリーヌ。圧巻の歌声、この歌詞、痺れました。
何の曲かは、ご覧になってのお楽しみに。
カナダの小さな田舎町に暮らす音楽好きの一家に、14人兄弟の末っ子として生まれたアリーヌ。彼女の特別な歌の才能に気づいた地元の名プロデューサー、ギィ=クロードは奇跡の原石を大切に育て12歳でデビューして以降、アリーヌは世界的歌姫へと成長していく。それは、自分を見いだしてくれたギィ=クロードとの真実の愛と出会う旅でもあったー。
映画『ヴォイス・オブ・ラブ』公式サイト
アルバム総売上2億5000万枚を超え、音楽史上最も人気のあるアーティストの一人、セリーヌ・ディオン。14人兄弟の末っ子として生まれ、後の夫となるプロデューサーに才能を見いだされた彼女は12歳で歌手デビュー。以降、スーパースターとしての階段を駆け上がり、数々の名曲を世に贈り出してきた。本作では、今なお輝きを放つセリーヌの半生を初めて映画化!何といっても見どころは、セリーヌの数々の不朽の名曲と共に完全再現されたゴージャスなステージ。音楽映画の傑作に、その名を連ねる決定版が誕生した!
監督と脚本、さらに主演を務めたのはフランスが誇る国民的スター、ヴァレリー・ルメルシエ。ユーモアとフィクションを交えながらセリーヌの半生を、愛を込めて忠実に再現。実在のセリーヌ・ディオンは今も活躍中で、世界に一人しかいない大スターへの敬意を表するために本作では役名をアリーヌとした。セリーヌ・ディオンの楽曲は、今回大抜擢されたフランスで活躍中の歌手ヴィクトリア・シオが絶妙にカバー。スターダムを駆け上がる中での不安や孤独 、愛する家族との別れ、才能を見出してくれたプロデューサーとの26歳差の大恋愛など、数々の困難を乗り越えて世界へ羽ばたいた、世紀の歌姫の波乱の人生がいま、明かされるー! 歌で人々を幸せにしたいという夢に向かって進んだ二つの魂の絆が《愛の声》に乗ってすべての人の心に響く。
映画『ヴォイス・オブ・ラブ』公式サイト
第74回カンヌ国際映画祭 (2021) 正式出品作品
アウト・オブ・コンペティション部門
原題『 ALINE the voice of love 』(邦題『ヴォイス・オブ・ラブ』)
アリーヌ・デューとマネージャーであり夫のギィ=クロードの2人の仕事と愛の物語。ほっこりながらしんみり。歌唱のヴィクトリア・シオさんの歌声は、圧巻です。映画『ヴォイス・オブ・ラブ』よかったです。