いいなぁ。
書籍『俳優になろうか』(著者:笠智衆)読了。
日本経済新聞の「私の履歴書」欄で連載されていたものに加筆を含めまとめられた1冊。
先日、2022年元旦の私の散歩初め動画でもお話ししていた笠智衆さん執筆の本です。
感想です。
あとがきの一文が笠智衆さんらしい。
日本経済新聞の「私の履歴書」欄に登場しないか、というお勧めをいただいたとき、はじめはお断りするつもりだった。正直なところ私にはあまり縁のない新聞でもあり、今まで登場した方々のお名前をうかがってみても、とても私のような者が出る幕ではないと思ったのである。もともとわたくしは、自分のことを語るのは好きではない。今まで何回か思い出話を本にまとめてみないかというお誘いを受けたが、すべてお断りしてきた。映画俳優は映画の中で自分を語ればいい、というのが私の持論だったからだ。
書籍『俳優になろうか』あとがき
そんな笠智衆さんが、なぜ、執筆を承諾したのか。これも笠智衆さんらしい。
私が俳優になってもう六十年以上が過ぎた。この間、映画史上に残るような名作に何本も出演させていただき、演技賞も何回か頂戴した。これは皆、素晴らしい監督さんに使っていただいたためで、自分の力とは思っていない。とはいうものの、亡くなられた小津先生、清水オヤジ、稲垣さんなど、私をここまで引っぱってきて下さった方々については、私なりの思い出がある。それを語れることで、日本の映画史に少しでも付け加えることがあるとしたならば、そうすることが、長年俳優を続けてきた者の義務なのではないか、とも思えてきたのである。
書籍『俳優になろうか』あとがき
承諾の理由が、かっこいい。
さて、本書では、日本経済新聞の人気コラム「私の履歴書」への寄稿ということもあり、書き言葉で綴られる。
笠智衆さんの幼少のころから学生時代、そして、俳優としての半生が語られる。
類書としては、書籍『小津安二郎先生の思い出』(著者:笠智衆)がある。
こちらは、インタビューを文字に書き下ろした1冊ということもあり、話し言葉で綴られている。
当然ながら、この2冊、内容としては重なる部分も少なくはないです。
ただ、書籍『俳優になろうか』のみに綴られていることもあれば、 書籍『小津安二郎先生の思い出』 のみで語られていることもあります。
両方読んで、より、笠智衆さんを垣間見ることができました。
やはり、私、俳優、笠智衆さん、好きだなあ。
書籍『俳優になろうか』 。読んでよかったです。
高橋典幸 散歩初め 上野恩賜公園&不忍池 2022年1月1日
やはり、私、俳優、笠智衆さん、好きだなあ。