映画「愛のコリーダ 修復版」(2021)。2023年に、大島渚作品が国立機関に収蔵される予定のため、今回が最後の大規模ロードショーとなるとのこと。ヒューマントラストシネマ有楽町で鑑賞しました。感想です。
藤竜也さん演じる吉蔵と、松田英子さん演じる定との2人の会話がなんとも艶があって粋。
お互いの会話の一言一言が洗練されていて聞いていておもしろい。
特に、藤竜也さんの台詞回し、小唄が、もう、かっこよくて、かっこよくて。
声質、強弱、間、テンポ、、聴き入りました
声質が好きなのかなあ。
劇中で流れる、挿入曲が素晴らしい。
野坂恵子さんによる二十絃箏の独奏「愛のコリーダのテーマ(芽生え)」。
タイトルとエンドロールで流れる尺八三重奏「ソネット」。
二人の心情がとてもよくあらわされていました。
また、劇中で、芸者たちが魅せる三味線と小唄の数々が楽しい。
おじさんの滑稽な踊り「こうもり」もいい。
微笑ましく、おもしろく、笑えるシーンが結構ある。
大島渚監督のナレーションで終幕、エンドロール。
この終わり方、スッキリしていてわかりやすくて好き。
余韻がすごい。
鑑賞後、書籍「愛のコリーダ」(著者:大島渚)に収録の脚本第一校を読んで、物語を再び味わいました。
劇場パンフレット(1976版、2000版、2021版)を読みました。
映画鑑賞後、書籍「愛のコリーダ」(1976 / 著者:大島渚 / 写真24頁+190頁)を読了。
全シナリオが掲載されています。読み入りました。
- 巻頭劇中写真24枚(カラー24頁)
- 目次(2頁)
- Ⅰ 愛のコリーダ 脚本第一稿(124頁)
- Ⅱ 体験的ポルノ映画論(20頁)
- Ⅲ 刑法第百七十五条をめぐって(22頁)
- Ⅳ 『愛のコリーダ』製作余話(20頁)
- あとがき(2頁)
映画鑑賞後、映画「愛のコリーダ」(1976)日本初公開当時の映画パンフレットを読了。
内容が熱い。それぞれに味がある寄稿文の数々。
- 寄稿文「カンヌの口火を切った愛のコリーダブーム」
映画評論家 田山力哉
※カンヌ国際映画祭 監督週間オープニング作品としてのワールド・プレミア上映時と開催期間中の現地の様子をレポート - 作品解説
- 物語紹介(結末までのすべて)
- スタッフ・キャスト紹介
- 寄稿文「愛のコリーダをめぐって」
映画評論家 河原畑寧
※「愛のコリーダ」撮影美術セットと撮影中の様子のレポート - 作品メッセージ
- 寄稿文「大島渚のプロフィール いつも時代の、遙かなる先端に立って」
映画評論家 小藤田千栄子
※大島渚さんの人となりと映画半生紹介 - 各国から寄せられた”愛のコリーダ”の素晴らしい反響!
パリに捲き上がるこの衝撃と感動!
カンヌでも大評判!
世界の一流紙が絶賛!
映画鑑賞後、映画「愛のコリーダ 2000」(2000)公開当時の映画パンフレットを読了。
- 著名人・メディアの鑑賞後コメント
- 作品解説
- スタッフ・キャスト紹介
- 寄稿文「きっつぁんの”甲斐性”」
作家 室井佑月 - 物語紹介
- 劇中科白
- 寄稿文「暗闇の中で僕たちはじっと息を潜めてその時を待った。」
映画監督 崔洋一
(『愛のコリーダ』制作時 助監督) - 寄稿文「『愛のコリーダ』、その闘いの記録」
映画評論家 水原文人
序章:1961年松竹退社、そして創造社の困難
第一章:映画そのものがスキャンダル、『愛のコリーダ』の闘いのはじまり
第二章:ポルノ解禁のカンヌでの絶賛と、日本公開時の修正版への非難
第三章:「猥褻、なぜ悪い?」日本を揺さぶる社内問題に! - 年表『愛のコリーダ』の闘い
※1959年~1982年の出来事詳細年表 - 主役紹介
- 「猥褻」が試される場所
※書籍「愛のコリーダ」(1976 / 著者:大島渚)140頁より抜粋文 - 大島渚(監督・脚本)紹介
- 大島渚フィルモグラフィー
- キャスト・スタッフ紹介
映画鑑賞後、映画「愛のコリーダ 修復版」(2021)映画パンフレットを読了。
- イントロダクション
セックスと愛を極限まで描き、世界の映画史にその名を刻む。
芸術か、わいせつか、愛か、欲か。 - 物語紹介
(結末までのすべて) - 寄稿文:レビュー「大島渚と『愛のコリーダ』」
映画評論家・映画監督 樋口尚文 - プロダクションノート
ハードコア・ポルノゆえのキャスティングの困難
京都-パリを結ぶ前代未聞の制作方法
伝統の撮影所ステージに組まれた奇抜な意匠のセット
国際的にセンセーショナルな反響が沸き起こる - キャスト紹介
- スタッフ紹介
- 寄稿文:裁判「『愛のコリーダ』裁判について」
映画評論家・映画監督 樋口尚文 - 寄稿文:コラム「スケジュールの思想」
映画監督 崔洋一
(『愛のコリーダ』制作時 助監督) - 寄稿文:コラム「待望の最新作」
映画監督 冨永昌敬 - 寄稿文「大島渚、その人と作品」
映画評論家・映画監督 樋口尚文
昭和11年。東京・中野の料亭「吉田屋」を舞台に、そこの主人である吉蔵と仲居の阿部定が出逢いたちまち惹かれあう。昼夜を問わず体を求めあう二人の愛はエスカレートし、やがてお互いの首を絞めて快感を味わうなど、危険な性戯におぼれていく。定は吉蔵の愛を独占したいと願うようになり、ある日、吉蔵を殺して自分だけのものにしようと包丁を手にした。
引用元:映画『愛のコリーダ 修復版』公式サイト
大島渚監督、最大の問題作。
阿部定事件に挑み“世界のオーシマ”へ。アートかエロスか?
裁判にまで発展したその答えはいかに――
大島監督史上最大の問題作『愛のコリーダ』がデジタル修復されて蘇る!
男女の愛憎の果てに男性器を切り取るという、実際に起こった阿部定事件に基づき大胆な性描写で映画化。藤竜也、松田英子が狂おしいほど求め合う激しい愛の営みは1976年の公開時から45年経た今観ても息を呑む。セックスの描き方にリアルさを追求し、映画での「本番行為」は芸術かエロスかを問いかけ、国内外に大きな波紋を巻き起こした。検閲を恐れ、日本で撮影されたフィルムを未編集のままフランスに送って編集し、日本で逆輸入して上映するという執念で作品を完成させた。後に同名書籍が発行されたが、一部がわいせつ文書あたるとして起訴され、裁判にまで発展した世紀の問題作。2000年の再公開時には35㎜フィルムによる上映だったが、今回、ブラー処理、色調整、レストア作業等を施し全面的に修正を行った。新しい2Kの修復版そして初のデジタル素材となって全国公開が決定。2023年に大島渚作品が国立機関に収蔵される予定のため、今回が最後の大規模ロードショーとなる。
引用元:『愛のコリーダ 修復版』公式サイト
なんと美しく艶のある二十絃箏、尺八の音色。
映画「愛のコリーダ 修復版」(2021)。艶のある粋な会話劇。