かっこよく、そして切ない。読了、アート小説「たゆたえども沈まず」(原田マハ著)。史実をもとにしたフィクション

アート小説「たゆたえども沈まず」(原田マハ著)

「たゆたえども沈まず」読了。かっこいい。そして、切ない。東京美術館で開催中の「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」を観覧し、TOHOシネマズ上野で映画「ゴッホ~最期の手紙~」を鑑賞。その後、アート小説「たゆたえども沈まず」(原田マハ著)を読みました。本作は史実をもとにして原田マハさんが自由に創作した架空のフィクション。そのことを大前提にして読むととても面白い創作小説でした。作中には、フィンセント・ファン・ゴッホ、テオドルス・ファン・ゴッホ、ヨハンナ・ファン・ゴッホ=ボンゲル、タンギー親父、ポール・ゴーギャン、美術商の林忠正といった実在したとされる人物がもりもり登場します。その中に、原田マハさん曰くフィクションを強調するため、物語の主要人物の一人として、林忠正の助手、加納重吉という架空の人物を登場させています。綴られる物語の要所要所に、史実に残るエピソードの数々が描かれます。それらの史実エピソードに、フィクションが絶妙に織り交ぜられています。それが、読んでいて「うわぁ…」と小声がでてしまうほどに、かっこよく、切なく、お見事なのです。文調も読みやすく、ページをめくる手が止まらなくなるほどに、ぐいぐい惹きこまれました。

アート小説「たゆたえども沈まず」(原田マハ著)

アート小説「たゆたえども沈まず」(原田マハ著)

物語

誰も知らない、ゴッホの真実。 天才画家フィンセント・ファン・ゴッホと、商才溢れる日本人画商・林忠正。 二人の出会いが、〈世界を変える一枚〉を生んだ。 1886年、栄華を極めたパリの美術界に、流暢なフランス語で浮世絵を売りさばく一人の日本人がいた。彼の名は、林忠正。その頃、売れない画家のフィンセント・ファン・ゴッホは、放浪の末、パリにいる画商の弟・テオの家に転がり込んでいた。兄の才能を信じ献身的に支え続けるテオ。そんな二人の前に忠正が現れ、大きく運命が動き出すーー。『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』の著者による アート小説の最高傑作、誕生!
出典)幻冬舎 公式サイト

惹きこまれページをめくる手が止まりません

感想

美術商の林忠正がとにかくかっこよく描かれています。そして、本作での架空の人物、加納重吉がいいアクセントになっていて、一読者としては、重吉の立ち居地で物語の輪に入れている気がしました。
小説「たゆたえども沈まず」のフィクションの舞台のまさに現実版を、東京美術館で開催の「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」で観覧していたので、作中に登場する、渓斎英泉の「雲龍打掛の花魁/1840」、林忠正が監修した『パリ・イリュストレ』誌1886年5月号の日本特集、ゴッホの「花魁(渓斎英泉による)/1987」などなどは、作品の現物を生で見ていたこともあり、「うあぁ..あの作品かぁ。」と、作品名が登場するたびに、そのイメージが頭に浮かび、しびれました。
読後に、ゴッホ展のお土産に購入した大型本「ファン・ゴッホ 巡りゆく日本の夢」(圀府寺司監修)を開き、作中に登場するゴッホ展で観た作品やその背景を読みました。また、ファン・ゴッホ美術館公式サイトの「ファン・ゴッホに迫る 日本のインスピレーション」特設ページを読みました。
また、映画「ゴッホ~最期の手紙~」を観ていたので、ゴッホタッチの動く油絵で描かれたゴッホの半生のシーンが読中は頭に浮かびましたので、最期のほうは、映画「ゴッホ~最期の手紙~」サントラをBGMにして読みました。
アート小説「たゆたえども沈まず」(原田マハ著)。かっこよくも、切ない物語でした。

高橋典幸

東京美術館で開催の「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」と、映画「ゴッホ~最期の手紙~」、もう一度観たくなりました。

読了。 #たゆたえども沈まず #原田マハ

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関連外部リンク

参考

たゆたえども沈まず幻冬舎 公式サイト

参考

原田マハ公式サイト

参考

ゴッホ展 巡りゆく日本の夢公式ホームページ

参考

映画「ゴッホ~最期の手紙~」公式サイト

参考

ファン・ゴッホに迫る 日本のインスピレーションファン・ゴッホ美術館 公式サイト

Vincent (Starry Starry Night)

おしまいに、小説「たゆたえども沈まず」にも登場するゴッホが描いた絵画の数々を、Don McLean の歌「Vincent (Starry Starry Night)」(1971)にのせて。


 

映画「ゴッホ~最期の手紙~」ではリアン・ラ・ハヴァスがこの曲をカバーしています

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